泌尿器科

泌尿器科では以下の症状に対する診療を行っています。

(1) 各種泌尿器腫瘍及び癌の検査、治療
   (副腎腫瘍、腎臓腫瘍、腎盂尿管腫瘍、膀胱腫瘍、前立腺腫瘍、尿道腫瘍、陰茎腫瘍、精巣(睾丸)腫瘍など)特に各種癌の治療については、根治手術、化学療法、放射線療法
を 行っており、癌の根治手術では道内で有数の実を誇っています。
また、患者さまへの侵襲を軽減するために、各種の腹腔鏡下手術も行っております。

(2)腎臓疾患、腎不全
    血液透析腹膜透析、腎移植を行っております。

(3)血尿(尿潜血)、蛋白尿の精査
   健診等にて異常を指摘された方の2次検査などを行っております。


(4)排尿障害、排尿困難(前立腺肥大症、神経因性膀胱など)
   尿が出づらい、尿が近い、夜間おしっこに起きるようになった・・など。

(5)尿失禁(腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁など)
   咳やくしゃみをすると尿がもれる、トイレまで我慢できない・・など。

(6)排尿痛、頻尿、下腹部痛、背部痛など尿路に関わる諸症状
  (膀胱・尿道炎、前立腺炎、性行為感染症、腎盂腎炎、尿路結石、間質性膀胱炎など)


(7)勃起障害(ED)などの性機能不全

(8)不妊症(男性側の因子についての検査など)

(9)その他泌尿器及び男性性器に関する問題

 このように泌尿器科対象疾患、症状は多岐にわたりますため、不明な点や気になることがある方は、お気軽に泌尿器科までご連絡ください。

外来予約制について

 当科には非常に多くの患者さまが来られるため、再来では予約制をとっています。

 なるべく待ち時間を短くするために、手術、入院患者様の回診、検査などが終わり次第(午前
1000分頃)二~三人体制で診療をしておりますが、それでも平均30~1時間の待ち時間がかかります。予約外ではカルテなどを揃えるためにさらに30分程をようすることがございます。あらかじめご了承下さい。 

 尚、再来患者さまで病状が安定している方の場合、薬の処方のみで特に検査がない方は待ち時間は少なくなっております。

訪問診療について
 当院泌尿器科では、通院の困難な方(寝たきりの方々)に対して訪問診療を行っております。
ご希望される方は総合相談課までご連絡下さい。
昨年度の当科における手術について

主に下記のような手術が行われました。(2009年)

前立腺針生検 163件
経尿道的前立腺手術 62件
前立腺悪性腫瘍手術 48件
膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)  53件
膀胱全摘除術 9件
腎(尿管)悪性腫瘍手術 21件
経尿道的尿路結石除去術(TUL) 29件
ESWL 73件
生体腎移植術 3件
主な泌尿器科疾患の治療法
前 立 腺 癌

 全世界での前立腺癌罹患数は年間約40万人と報告され、我が国でも男性癌全部位の5.3%を占め、男性癌罹患率では第6位です。2020年には肺癌に次いで男性癌の2番目になると予測されています。
 当院では、2002年度より前立腺研究財団から前立腺癌検診のモデル地区として指定され、全国代表4ヶ所(砂川・滝川・赤平地区、群馬、広島、長崎)中の1ヶ所として検診事業を砂川市、空知医師会、保健婦(ふれあいセンター)と共同で担当しています。
検診の効果から当院では早期発見前立腺癌が極めて多いのが特徴です。PSA高値の場合には前立腺針生検や再生検を積極的に勧めており、前立腺癌の早期発見・早期治療に努めています。そのため年間150~200件の前立腺針生検を行っており、40%(60~80人)で癌が発見されております。
 治療は手術、放射線療法、内分泌療法が行われますが、そのどれもが高い効果を期待できます。当院ではすべての治療が可能ですが、手術療法として根治的前立腺摘除術が多いのが特徴です。年間4050例手術を行い(2001年から20103月までに365例施行)、全道でも屈指の症例数と手術数を誇っております。
<病期(ステージ)別の治療法と成績>
 病期B(臨床的限局癌)で76歳以下までの症例には積極的に根治的前立腺摘除術を行っている。手術時間は2時間30分前後、自己血400800mlで対応している。希望者には勃起神経温存も行っている。入院期間は1014日間。癌特異的5年生存率は99%。
 病期C(局所進行癌)では60歳以下では、根治的前立腺摘除術を、6570歳以上では後腹膜鏡下骨盤内リンパ節郭清術後に放射線併用内分泌療法を行い良好な成績を収めている。
 病期DD1:リンパ節転移、D2:骨転移)では内分泌治療や化学療法を行っている。癌特異的5年生存率は病期D186%、病期D266%と良好な成績をおさめている。

膀 胱 癌

 尿路癌(腎盂、尿管、膀胱)の中で膀胱癌が最も死亡数が多く70%以上を占めています。肉眼的血尿(血尿が出ても痛くはありません。)で発見されることが多い疾患です。男性が女性よりも2倍多く、またタバコを吸う人は吸わない人よりも4倍〜7倍多く発生します。
 腫瘍が表在性の場合には内視鏡手術で完治できますが、再発しやすいものには膀胱内に薬物(抗癌剤、BCG)を注入する治療を行います。浸潤癌の場合には転移がなければ膀胱全摘除術が推奨されます。膀胱を全摘した場合には、尿路変向(変更)術が必要となります。当院では自排尿型代用膀胱(回腸新膀胱)、回腸導管などの尿路変向(変更)を患者さんの状態に合わせて行っております。

腎 臓 癌
 腎臓にできる実質性の腫瘍には、大きく分けて腎臓癌、腎盂癌、良性腫瘍があります。残念ながら良性腫瘍の頻度は低く、腎臓に何らかの腫瘍が見つかった場合は専門的治療が必要となります。
以前は血尿や側腹部痛、腹部の腫瘤などで発見されることが多かったですが、現在では人間ドックや内科などで
CT検査やエコーでみつかる人が多くなっています。
 治療の原則は外科的手術ですが、やはり腫瘍の状態によって手術の内容は異なります。腫瘍のできた腎臓を全て摘出する術式が多いですが、腫瘍が小さい場合には部分切除術、また腹腔鏡下手術も行われるようになっています。腹腔鏡下手術の利点は、
1)傷が小さい 2)痛みが少ない 3)回復が早いなどで、当院では可能であれば腹腔鏡下手術を行っております。
前 立 腺 肥 大 症

 尿が近い、出にくい、がまんできない、勢いがない、などの症状が出ます。
どの程度、重症なのか? どの程度、日常生活の中で困っているのか? により治療方法を決定します。症状が軽い場合には、何も治療をしないで経過観察とする場合もありますが、治療は薬物療法が基本です。内服薬で効果がない場合には手術(内視鏡手術、開腹手術)を勧めます。内視鏡手術は5日間程度の入院で行っております。
なお、前立腺肥大症の中に癌が隠れていることもあります。癌が隠れていないかどうかPSA検査で判断することも重要です。

尿 路 結 石
腎臓、尿管、膀胱、尿道にできる結石のことで、胆石とは区別されます。日本人では生涯のうちで尿路結石に罹患する人が20人に一人と言われてますので頻度の高い疾患です。男性に約2倍多いと言われています。
 尿路結石の治療は、大きさが小さいものであれば薬物療法等による自然排石を促しますが、ある一定以上の大きさでは結石を破砕してださなくてはなりません。以前は開腹手術が主流でしたが、現在は
外衝撃波破砕術(ESWL及び内視鏡的に行う経尿道的尿路結石砕石術が主流です。どちらの治療を行うかどうかは、結石の大きさ、場所などにより決定します。当院では2001年にESWLの最新型の機会を導入し、高い効果を挙げています。また、これらの治療が困難、または無効の場合は経皮的尿路結石砕石術(PNL)も行っております。
 今後の結石治療では、様々な治療を適切に行うことができる施設で行うことが重要です。
腎 不 全
 腎臓は生体にとって欠かすことのできない重要な臓器であり、いろいろな働きをしています。 その機能は、① 老廃物の排泄 水分、電解質の調節 血圧の調節 造血ホルモンの調節 骨代謝の調節 など多岐にわたります。
 軽度の腎機能低下の場合は、食事指導、生活指導、血圧管理などを行い、腎機能の低下をできるだけ食い止める様にします。しかし,腎機能の低下が進行してしまうと、残念ながら一度悪くなった腎臓は、元のようには回復せず、それを治すような特効薬は今の所ありません。
腎機能低下が進行した場合、腎不全では失われた機能を補う治療が永久的に必要となります。補う方法とはしては、血液透析 (HD)、腹膜透析 (PD)、腎臓移植があります。現在当院では血液透析 (HD)90人、腹膜透析 (PD)30人、腎臓移植が13人行っております。血液透析は週3回病院に通院し、14時間の治療を行います。腹膜透析は自宅で夜間睡眠中にできるため、仕事をされているかたに適している治療法です。腎臓移植は最も優れた治療方法です。腎提供者(ドナー)としては親、兄弟姉妹、子、配偶者などの方が候補です。最近では夫婦間移植が増加しています。現在医学の進歩により、血液型が合っていなくても(ABO血液型不適合移植)移植することが可能となりました。
尿 路 感 染 症
 細菌などの微生物が尿路に感染し、症状を引き起こした状態です。腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎などがあります。
 治療の原則は水分摂取と抗生物質の投与ですが、感染した細菌の種類、感染した場所などにより適切な抗生物質が若干異なります。
また、性感染症も当科にて治療します。以前には効果のあった抗生物質が効かなくなってきており、専門的知識のある医師のもと、しっかり治療をしていくことが重要です。
ED(Erectile Dysfunction)
 EDとは英語で「Erectile Dysfunction」日本語では「勃起不全」と訳されます。勃起に時間がかかったり、勃起しても途中で萎えてしまったり、満足のいく性交(セックス)ができない、と云う人はEDの可能性があります。
 日本におけるEDに罹患している患者さんは約1000万人いると云われており、加齢に伴い増加することがわかっています。原因は機能性と器質性の2つに分かれますが、現在の治療の第1選択はPDE 5阻害薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス)です。有効率は7080%と高い有効性を誇ります。当科ではいずれの薬も処方可能で患者さんの状態に合わせて処方しています。(ただし硝酸剤を使用している患者さんは絶対に内服できません。)
 
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