先輩研修医からのメッセージ

先輩研修医からのメッセージ
玉置 陽生

この文章を読んでくださっている方はおそらく砂川市立病院での研修を考えてくださっているマッチング受験生と思います。砂川で研修医生活をスタートしてからまだ1年半余りですが、皆さんができるだけイメージしやすいように砂川でできることをお伝えしようと思います。

 

・研修プログラムの特徴

必修が多い(自由選択は6か月)ということはよく言われます。幅広く医学的知識を得られ、全身をアセスメントする能力を得るのに適しますが、すでに進路が決まっていて初期研修期間であれできる限りその科を選択したいという人にとってはあまりお勧めできないかもしれません。

診療科が全科揃っていて、当院でほとんどの治療が完結するということは素晴らしい特色の一つだと思います。患者さんの全身を評価するにあたり、ほとんどの情報が電子カルテ上に存在しているということは大変勉強になります。予後や治療経過に関しても全体像が見えてくるためわかりやすいです。「どこどこに相談したあの患者さんは結局どうなったんだろう…」がほとんどありません。

 

・内科研修の特徴

かなりの部分で意思決定に参加できます。自分の裁量に任せて頂ける部分も多く、指導医はじめ上級医の懐は深く、自分で考えて自分でやってみたいという人向けです。ただし、上級医は指導熱心な方がほとんどですが、忙しく構ってもらえないことも多いので、うかうかしているとすぐに研修期間が終了します。盤石の指導体制のもとまったりやりたい人にはあまりお勧めできないかもしれません。病棟では担当医として常に10人前後の患者さんを診療します。また月に2~3回感染症コンサルタント岸田直樹先生のもと外来診療にも従事します。検査や手技は上級医にアピールすればやらせてもらえる場合もありますが、強制ではありません。

 

・外科研修の特徴

 外科志望であれば指導の下手術の執刀なども可能なようです。後期研修医とともにたくさん勉強します。緩和ケアにも精通しています。私の経験上これ以上の詳細は不明です。他の研修医の声をご参照ください。

 

・救急/麻酔科研修の特徴

 ICUが存在しているというのは、集中治療医を志す方にとっては非常に有益と思います。当院の研修ではcommon diseaseの経験を重視していますが、それだけが取り柄ということではなく中空知地区の中核病院として、重症患者さんの治療にも携われます。

 

・放射線診断科研修の特徴

 放射線診断医が常勤で1名いらっしゃいます。基本的にはマンツーマンで研修を受けます。読影数は100件/日程度ですが、実際に研修医が読影する量としては10件/日強程度になります。指導医は忙しい方ですが大変指導熱心です。TACEなど血管内治療も週に1回あります。交通外傷等で緊急で止血術などを行うケースもあります。

 

・救急外来の特徴

 あえて救急科研修と別の項に書き、なおかつ最後に持ってくるあたりに、ここが砂川市立病院の「売り」であることを感じて頂けたらと思いますが、日中の研修以上に自由度が高く、自分の考える診療スタイルを実践できる素晴らしい環境です。近年は中空知の人口減を反映して、一晩に訪れる患者数はやや減少傾向なので、いわゆる「野戦病院」を期待している方には少し物足りないかもしれないです。しかし、ひとつひとつの症例に関してある程度じっくり検討できるいいバランスかと思います。また、帰した患者さんのfollowを日中の外来でしてもらえるのも利点の一つで、「あの人何の病気だったんだろう…」で終わることはほとんどありません。自分の評価に対してフィードバックが返ってくるというのは非常に貴重な経験となります。

 

・最後に自分の話を少し。

 自分は学生時代循環器内科を志望して、循環器疾患(特に虚血)を多く取り扱っている地方中核病院という観点で病院を見学していました。地方中核病院を志望した理由はありきたりで、初期臨床研修のうちは、主にcommon diseaseについて研修することが今後の自分の医師人生の基盤になってくれるだろうと思ったからです。自分の先輩がこの病院で研修しており、印象がよかったということも挙げられます。

 入った後の印象としては、この世界は予想以上に感染症であふれていて、砂川ではその教育、実践ともに成長できる環境がそろっているということが一点。そして来るべき超高齢化社会に向けて、内科医として多様なproblemを抱えた患者さんの全身を診なければいけなくなるであろうことを考えた場合、日本の10年先を行くと言われるこの中空知での研修は自分の将来に確実に有意義なものであろうということであります。個人的には当院循環器内科っていいなあって話をあと1000文字くらい書けますが、誰も見ないであろうから止めます。

 是非見学に来て、魅力を感じていってください。当院研修医は学生が大好きです。安心していらっしゃってください。

 

三上 拓真

2年間の研修を振り返って、砂川市立病院での研修はとても良かったと思います。

 正直どこの研修病院行っても最後に良い研修だったかが決まるのは自分の努力次第だと自分は思うのですが、その努力できる環境が十分に揃った研修病院だと思います。研修医への病院側のサポートはさることながら、過去に先輩方が築いてくださった「砂川の研修医はやる気がある」というイメージのお陰で研修医のうちから積極的に診療に参加させてくださる先生方が非常に多いです。

 また、2年目になると研修医ではあるものの一人の医師としての意見も求められることもあり、研修医がここまで診療に携わることができる病院は北海道内でもそう多くはないと思います。

 何事もスタートダッシュが大切だと思うので、砂川市立病院は医師としての良いスタートダッシュを切れる病院だと確信しています。

 砂川市立病院研修医のOBになるものとしてこれからもたくさんのやる気のある研修医が活躍することを願っています。迷っている方は是非見学に来てください。

舘 弘之

研修が開始し、はや1年半が経とうとしています。研修終了を半年後に控え、進路も決まった現在「研修医の声」は砂川の研修の総括に近い形となりそうです。

 今年は2年目となり、「自由」と「指導」の2点が非常におおきい割合を占めることが多くなりました。「自由」は、現在ローテートさせていただいている内科などで特に与えていただいている印象です。昨年1年で積み重ね得られた自分の経験と実際に疑問にぶつかった時に調べることで、上級医や同期とのdiscussionを通して様々なことを勉強、吸収させていただいています。上級医の指導のもとではありますが、自分で多くの診療に携わることでより多くの疑問を持ちながら普段の加療に関する知識をupdateすることも出来ます。

 もう一つは「指導」です。これは、砂川救急外来での2年目の一つのテーマとなっているであろうことであると思います。どんなタイミングでどこまで指導すればいいのか、果たしてこの加療やアドバイスは本当にあっているのか、また一年目から与えられた素朴な疑問(発展的な質問もたくさんあります)を通して自分の理解力の甘さを再認識したりと2年目になっても多くの壁にぶつかりながら診療しています。日々指導の難しさを実感する日々ではありますが、それもまた勉強になると思えると日々のモチベーションにつながると思います。

 そうは言っても勿論研修医でありますから、日々指導を通して学ぶ機会が多く与えられていることは書き漏らしてはいけません。

 地域医療や他の病院で砂川市立病院の話をすると、やはり忙しそうというお言葉を多く頂戴することがあります。自分の体力は人並みではあると思いますが、やはり同期や後輩を含めた全員が砂川市立病院で「働く体力」を養っているような気がします。それは夜の飲み会の多さにも現れているかもしれません。

 去年と同じ言葉で〆てしまい大変申し訳ありませんが、砂川という土地も含めて砂川駅に降り立った瞬間から研修医の飲み会まですべて含めて砂川市立病院での研修を見学していただきたいと思っております。

三浦 瞬

砂川市立病院2年目研修医の三浦瞬と申します。私は北大病院からのたすき掛けプログラムで1年目は大学病院で勤務し、2年目からここ砂川市立病院で働いています。

 これまで多くの研修医の先生方が述べていることだとは思いますが、砂川市立病院の初期研修の大きな特徴が夜間休日の救急当直だと思います。砂川の救急当直は全例研修医が診療し、帰宅可能かどうかも含めて判断します。判断に迷う場合は上級医に相談しますが、ここまで研修医が責任をもって患者さんを診察できる場がある研修病院は道内でもあまりないのではないでしょうか。症例も1~3次まで幅広く、内科外科疾患や外傷、小児など様々です。重症患者を適切にアセスメントして専門診療につなげる力も養えますし、軽症患者を軽症患者として自信を持って帰宅させる力もつけることができます。将来、どこかで全科当直を任されることになってもここでの研修が生きると思います。どの専門分野に進んでも、病棟での急変は起こりえますが、そんな時にもここでの研修が生きるはずです。また、砂川市を含む中空知地区は高齢化の進んだ地域であり、80~90歳代の患者さんが非常に多いのが特徴です。日常生活に不安を抱えている方もたくさんいらっしゃいます。そうした方々に対し、病気だけでなく社会的背景も含めてマネージメントする力が必要とされます。これは今後日本全国で直面しうる問題であり、初期研修のうちからこうした問題と対峙できるのは貴重な経験だと感じています。

研修病院を選ぶ基準は人それぞれです。研修システム、給料、立地などいろいろあるでしょう。システムに関しては各病院でそれぞれ特徴があるとは思いますが、結局大事なのは本人のやる気だと思います。それさえあれば砂川での研修においては十分です。給料については来年度から給与体系が変わるようですが、実際に支給される額はこれまでと同じかむしろ少し上がるようです。砂川市はお世辞にも都会とはいえませんが、札幌まで比較的近く、週末などを利用して買い物したり飲みにいったりすることも可能です。私は砂川の救急外来に魅力を感じて、たすき掛け先として選びました。こちらに来て約9カ月経ちますが、ここで働けて本当によかったと思っています。来た当初、1年目から砂川にいる同期の先生方の知識量や判断力を目の当たりにして焦りを感じもしましたが、同時にそれがモチベーションにもなりました。

まだまだ至らない点は多いですが自分自身少しは成長できていると感じています。正直数日の病院見学だけでは見えてこない部分もあると思います。それでも実際に研修医が働く姿を見てもらえれば、ここが研修医にとって良い病院であると感じてもらえると信じています。ぜひ、一度砂川まで足を運んでみてください。

工藤 真未

砂川市立病院での研修が始まり、早くも9カ月が経とうとしています。

この9カ月を振り返ると、日々学ぶことがあり本当にあっという間でした。

私が砂川市立病院を研修先に選んだのは、見学に来た時に病院全体で研修医を育ててくださる雰囲気があると思ったからでした。実際に研修医として働き始めて、見学時の印象通り上級医の先生方はもちろんのこと、コメディカルの方々にも本当に支えていただいていると感じます。

また、研修医がファーストタッチを行える救急外来も、当院の研修の魅力のひとつだと思います。軽症から重症まで多くの患者さんが来るので正直毎回ドキドキしていますが、2年目や上級医の先生方に教えてもらいながら色々な症例を経験させてもらっています。フィードバックを頂けるのもとてもありがたいです。

もちろん良い面だけでなく体力的にきついときもあったり、最近は冬に向けて砂川の寒さと雪の多さを心配していますが、充実した研修を送っています。

実際に来て、雰囲気をみて決めるのが1番だと思うので、ぜひ見学にきてみてください。 

岡田 健太

砂川市立病院では、ER型救急を通してほぼすべての科の疾患の初期対応から、各科に受診後、入院後の経過、退院まで、すべて一つの病院で完結します。

当院は空知の医療の中心を担っており、基本的にはすべての患者を断らずに受け入れています。主に、救急外来では研修医が中心となって、問診、診察、検査、治療、コンサルトまで一通り行うので、医師の基本となる技術がほぼすべて、その外来診療で学ぶことができます。入院後は各科を回っている研修医や、その科の主治医の先生に医局で気軽に質問できますし、自分でカルテを確認して、その後の入院経過やどういう検査をしているかを確認することができるので、非常に勉強になります。もし、救急外来で帰宅となった患者さんがいても翌日当院を受診してくれることが多いので、その後外来を受診して自分の診断が間違っていなかったかどうかも評価することができます。幅広く自分たちで主体的に診察がしたい、初期研修の間に自分で色んなことをできるようになりたいという方は当院に向いていると思います。

砂川での生活ですが、基本的には田舎です。自然に囲まれており、休日には札幌にJR一本でいけるので、平日は仕事に集中して、休日で日当直がない時は札幌や旭川に出かけるということもできます。そういう点で研修には最適の環境だと思います。

忙しい病院だと思われがちですが、回る科によっては、しっかり休養も取れますし、何より後ろで見ているだけでなく、自分が主体的に動いて判断しながら診療するので、身につくスピードが格段に違います。この研修医の声を読んでいる時点で相当やる気のある方だと思います。ぜひ一度見学に来ることをお勧めします。

武田 賢大

これから研修病院をどこにしようか考えている皆さん、皆さんはどんな研修病院でどんなことを学び、初期研修が終わった2年後には何が出来るようになっていたいですか?なるべく具体的なビジョンを持って研修病院を選ぶべきでしょう。

 と、言われてもそんなに具体的に将来の自分の姿を見据えて逆算して研修病院を選べる人はそう多くはないと思います。自分もそうでした。砂川の研修の良いところは、地域の中核病院ということもあり大体の科が揃っているので、実際に色々な科で研修をしながら将来の方向性を考えることができます(どの科も面白くてさらに迷うという可能性もありますが・・・笑)。もうすでに将来のビジョンが決まっている方は、志望する科でより深く研修することができるでしょう。

 砂川での研修の時間を大きく2つに分けるならば、日中のそれぞれの科での業務と救急外来における日当直の業務の二つに分けられると思います。特に救急外来での日当直は研修医の大事な仕事であり、この病院の「大変さ」の多くを占めています。しかし色々な患者さんたちと対峙することで、自分の成長のきっかけとなるたくさんのものに出会えるため、医師をスタートする最初の2年を過ごすには非常に良い環境なのかなと思っています。「若いうちは買ってでも苦労をせよ」とよく言ったものですが、砂川の研修は買った苦労にあったものが得られると思います。巷では「砂川の研修は大変」と噂を聞きますが、そんな法外な程ではないです。おそらく他の研修病院だって同じくらい大変でしょうし、どの職業でも社会人1年目はみんな大変だと思います。それを考えると周りの先生方やスタッフの皆さんはとても親切ですし、ここの研修は恵まれた環境なのではないかと思います。なので安心して砂川での研修も候補に入れていただけたらいいなと思います。

数井 翔

初めまして。砂川市立病院初期研修医1年目の数井翔です。僕が働き始めてから半年以上が経ちましたが、実際に砂川市立病院の研修医として臨床の場に出て感じていることを簡単に書きたいと思います。

 まず当院の研修の大きな特徴は夜間と休日の救急外来です。見学に来る学生さんの多くも救急科または夜間救急外来の見学をします。救急を売りにしている研修病院は多くありますが、当院は比較的軽症の患者さんから重症の患者さんまで全ての診察に1年目から携わることができます。1年目の10月頃からは救急外来を訪れる患者さんのほとんどを1年目が診察するレベルまで到達できます。もちろん2年目研修医や上級医の支えがあって成り立つのですが、判断力をはじめとして臨床力は上がるはずです。

 また実際に働いていると、当院が研修医をいかに大切に扱ってくれているかわかります。給料が高いこともそうですが、院長自らが研修管理委員長を務めてくださり、朝のレクチャーにも毎回参加していただいています。研修自体も自由度が高く、自分で学んだことを直接診療に生かせる機会にも恵まれています。経験がたくさんできるということはそれだけ忙しいということですが、月1回くらいは札幌で飲むこともできます。

 学生さんは是非とも見学に来てください。砂川市立病院研修医は学生さんが来たら必ず飲み会をします。研修だけではなく、研修医たちの普段の雰囲気も感じてもらえたら嬉しいです。