先輩研修医からのメッセージ

先輩研修医からのメッセージ
數井 翔(旭川医科大学卒)

 こんにちは、研修医2年目の數井です。この文書を読んで下さっている方は多かれ少なかれ、当院での研修に興味をお持ちになっている方だと思います。みなさんは砂川での研修にどのような印象をお持ちでしょうか。1年を通して見学に来てくれる学生さんに同じようなことを質問すると「救急に力を入れている」、「研修医が主体となって診療できる」等の答えが返ってきます。それはいずれも当院の研修を語る上では欠かせないことです。

 救急外来での当直・日直は週に1回以上あり、様々な症例を研修医が主体となって診療していきます。そして1年目、2年目それぞれに設定されている、1か月間の救急科研修では、救急科指導医のもと、濃密な研修を受けることができます。また、当院の研修プログラムは必修科が多く、専門性に偏ることなく多くの知識を学ぶことができます。

 しかし、それだけが当院の研修の魅力ではありません。僕は砂川での研修の一番の魅力は「人」にあると思います。研修は決して1人でできるものではありません。やる気に溢れた優秀な研修医の仲間達や、研修医の育成に意欲的な指導医・コメディカルの方々の協力があって砂川の研修は成り立っているのです。僕の研修も残すところ3ヶ月程ですが、是非多くの方に砂川での研修について知って頂ければと思います。

武田 賢大(北海道大学卒)

 期待と不安で一杯で学生気分が多分に残っていた自分が、病院のスクラブに初めて袖を通したあの日からもう2年が経とうとしています。月日の流れるスピードは思っていたよりもあっという間で、床に何度も落としてボロボロになったPHSや、ちょっと布が硬かったスクラブがすっかり肌に馴染み、端の方が擦れてきたのを見ると、自分がこの病院で過ごして来た日々の長さを感じます。

 こういうコーナーには大体決まって「うちの研修病院は救急が売りです」とか「みんなやる気に満ち溢れています。やりがいがあります。」とか色々と魅力がたくさん書かれていることと思います。そう言った話は仲間に譲ることにして、自分は砂川市立病院で研修をしてきて今どんな思いなのかを書きたいと思います。

 話しは少し遡りますが、自分が学生の時に必ず見学先の病院で初期研修の先生にしていた質問があります。それは「この研修病院にして良かったですか?」という質問です。単純な質問ですが、僕にとってはとても大事なことでした。研修の中身とか、特徴とか細かい話は兎に角、極端な話自分で選択する初期研修制度で、自分の選択に良かったと思える病院かどうかが一番大事だと思っていました。砂川は当時いた先生方はみなさん良かったと答えて下さいました。マッチングに関しては実は本州志望だった(上京がしたかった)のですが、北海道なら砂川だなと思ってマッチングの希望は、北海道は砂川だけにしました。結局上京の夢は叶わず、しかし運よく砂川に拾われることとなります。

 研修が始まりいろんな事がありました。辛かったことで言えば当直に入りたての頃、夜明けと共にきた患者さんに問診をとりながら寝そうになったり、自分の無力さを痛感することや、看護師さんの前でちゃんと指示が出せなくて恥ずかしかったり、色んな科の先生とディスカッションして勉強不足を指摘されたり、臨時の患者さんの対応で帰れなかったり…その反面、前できなかった事が出来るようになって嬉しくなることもたくさんありました。自分が病院の一部として微力ながら力になっているという実感を得る機会がたくさんあったのもとても嬉しかったです。

 この研修で仲間と共に過ごしてきた日々が一つ一つ自分の中に鮮明に残っています。そのどれもがかけがえのない思い出です。自分にとって砂川での2年間は最高にアツイ2年間でした。初期研修でいれるのは長くて2年間ですが、出来るならもっとここで働いていきたいと思える研修病院です。

 まだ数ヶ月の研修が残っていますが、もし過去の自分に砂川で働いてどうだったかと聞かれたら、文句なしの最高の研修だったと言えます。そう思える病院で医師人生をスタートする事ができて本当によかったです。これから研修をどこにしようか考えている皆さんも是非砂川も候補にしていただければ、絶対に後悔はしません。皆さんも是非砂川で熱い日々を過ごしてほしいと思います。

 

岡田 健太(旭川医科大学卒)

 私は初期研修の間に救急外来をしっかり勉強したく、すべての科の症例が集まる砂川市立病院の研修に興味を持ち、初期研修先として選びました。

 約2年間の研修を受けて、毎日新しい患者さんが受診する救急外来はすごく勉強になる場所であり、たくさんのことを幅広く学ぶことができました。1年目から2年目になるとかなりのことに慣れてきて救急外来もほぼ一人でできるようになりますが、今度は各科にコンサルトした後の入院加療やアセスメントについて学ぶ時間が増え、最初の診察だけではなく、入院から退院までの管理も、各科を回っていればその科で、回っていなければカルテ上や、同期の研修医を通して学ぶことができます。学びたいことが日々身の回りにあるので、毎日学びが絶えません。

 研修医も多く、まじめに取り組んだり、時にはしっかり遊んだりと、メリハリもあります。幅広く学びたいという方にとっては北海道内で随一の恵まれた環境と思いますので、ぜひ見学に来てください。

下野 結依(札幌医科大学卒)

 砂川での研修も、あっという間に1年が経とうとしていることに驚いています。私自身、まだまだ至らない点ばかりで、自分の無力さを痛感している日々ですが、砂川での研修は毎日の業務の中で、自分で考えて実践していく事で少しずつできることを増やしていけるとてもやりがいのあるものだと思います。

 砂川の一つの売りでもある救急外来では、中空知地区のあらゆるところから患者さんが昼夜問わず搬送され、多忙な中でもいかにして患者さんの病態や治療方針を短時間で的確につかむことができるかという能力が求められます。

 また、重症例だけでなく、commonな疾患への対応はプライマリ・ケア医としてのスキルアップをはかることができます。そして何より、必ず上級医の先生方からフィードバックをもらえるという点では、地域中核病院としての強みだと思います。

 自分たちが救外で診察した患者さんがどうなったのか、果たして自分たちの対応が正しかったのか、タイムリーに”答え合わせ”ができるからです。また、先生方も私たちを一人の医師として対応して下さり、優しく、時には厳しく指導して下さるので、試行錯誤を繰り返しながら頑張ることができます。

上田 直弘(札幌医科大学卒)

 研修医となって9か月ほどが過ぎました。
他病院の研修と比べることができないので、当院の研修の長所・短所を挙げることはなかなか難しいなというのが正直な思いですが、いくつか思いつくことを書かせていただきます。

 やはり、一つの大きな特色としては、ER型救急外来での日当直研修(月4~5回)があります。上級医、2年目、1年目研修医の体制で時間外の救急外来の診察を行っています。ここでは、研修医が主体となり、問診から検査、診断、治療を行い、外来での診察の一連を学ぶことができます。ほかの病院では外来での研修の機会はほとんどないのではと思います。
風邪、骨折、脳梗塞、心筋梗塞などのすべての患者さんを担当し、必要があれば各科の待機医にコンサルトし、治療を行っていきます。

 私は、この救急外来での研修に魅力を感じ、砂川で研修をすることを決めました。いざ、自分が研修医となって診察する立場になると、診断・治療に迷うときがたびたびありますが、そんな時は2年目の先生や上級医に相談をすることで、適切な助言を受けることができます。責任のある立場で幅広い症例を経験することで、積極的な学習につながり有意義な研修になっていると感じています。また、同期も10人いるため、切磋琢磨しながら日々研修しています。

 日々の生活については、適度な仕事量で、それなりに休暇もとれ、非常にバランスの取れた研修医生活を送ることができていると実感しています。週末に休暇が取れれば、札幌に行くことも容易で、リフレッシュして月曜日から仕事に臨むことができます。

 砂川市立病院に興味のある学生の方はぜひ一度見学に来てみてください。私は5~6か所ほど見学に行きましたが、時間に限りはありますが、後悔しないようたくさん見学に行くことをおすすめします。

梶浦 麻未(旭川医科大学卒)

 砂川市立病院での研修は、一年目はほぼ全ての科が必修となっており、例えば外科2ヶ月の研修が必須となっていることが他の病院との違いです。科の選択の自由度を求める方には不向きかもしれませんが、内科志望の自分にとっては様々な科での研修を通して幅広く診察する力がつくことができる良い環境だと感じています。症例で悩んだ際にも専門の先生に質問することができます。

 内科での研修の際には感染症の岸田直樹先生のレクチャーを受けることができ、日々の診療にたくさんいる感染症の患者さんを診るための知識を日々新たにすることができていると感じています。

 休日・夜間の日当直においては、全例を研修医が診療にあたります。迷った際には指導医にすぐ確認を取れる環境ではありますが、まず全て自分が診るという経験は診察力の向上に繋がると思います。救急外来だけではなく、病院内の他のスタッフの皆様もですが、「研修医」としてよりは、「ひとりの医師」として我々を扱ってくださり、自分の判断一つで患者さんの診断、転機が決まるプレッシャーはありますが、とても仕事にやりがいを持つことができています。砂川市立病院での研修の「売り」と言えるのではないでしょうか。

 砂川は冬が寒く、雪が多いことで有名ではありますが、病院内は常に暖かく特に気になることは日々ありません。モチベーションの高い他の研修医のいる中、互いに切磋琢磨して研修生活をおくることができ、非常によい環境にいることを常に感じています。

 レクチャーや勉強会、抄読会などを曜日ごとに開催しており、なかなか自分一人では継続しづらい勉強も同期と助け合いながら日々がんばっています。上級医の先生方も非常に指導熱心であり、2年間の研修生活で成長するための環境が砂川にはあります。もちろんどこで研修するか以上に、自分がどのように研修生活をおくるかが大切ではありますが、ぜひスタッフに恵まれた砂川市立病院での研修を選んでいただけましたら幸いです。

植村 和平(自治医科大学卒)

 これを読む主な方々は、砂川市立病院の研修を考えてくれている医学生の皆さんだと思います。どういう研修病院が良いかというのは、命題であると思いますが、半年間過ごしてみての感想を述べます。

 私達の一番身近な存在である若手の医師はだいたい、1~2年で変わります。科による雰囲気というのは、その時の派遣された先生によるところも大きいと思います。あくまで環境は大切ですが、自分で学ぶ気持ちが大切なのではないかと思います。私も多くある学生パターンの例に漏れず、学生時代まったく実習や勉強を頑張らないでここまで来ましたが、研修医になってから意識が変わりました。

 その大きな要因としては、学生と社会人では求められる役割が全く異なるからです。学生は自分ができなくてもよいのですが、社会人はできることが求められます。実際にやること、そして決断することが求められます。当然わからないことばかりで、ちっちゃなことですら調べないといけません。

 みなさんは賢いと思いますから、感覚的にわかると思いますが、自分の手で動かして覚える、そして調べながらも実践するというのは知識の定着として座学に比べより強固です。そのため私は、経験のより多い、自分で決断できるような場所が成長につながる可能性は高いのかなと思います。皆さんは自分に合う勉強方法を医学部受験で身に着けていると思うので、しっかり思い出してどの研修病院が自分にマッチするのか考えてみてください。

 以上、砂川市立病院における研修の感想の紹介です。

 

尾畑 翔太(筑波大学卒)

 このホームページを見ている方の中には、初期研修先として砂川市立病院の研修を考えている方がいらっしゃると思います。研修先を考えている学生へいくつか書かせていただきます。

 はじめに自分の紹介を少しさせていただきます。お恥ずかしい話ではありますが、私は2017年3月30日、初めてこの病院の中に入りました。面接を受けたわけでもなく、病院の研修プログラムを聞いたわけでもなく、誰かに勧められたわけでもなく、北海道大学のたすき掛けプログラムの第4希望としてこの病院で1年間研修することになったのです。なので、最初に砂川に着いたとき(生まれて初めて)、周囲の建物から頭一つ大きい建物があるな、と思ったらそれが病院でした。そんなこんなで僕の初期研修医生活は始まりました。

 この病院の強みの一つに救急外来の日当直があると思います。ここの病院の見学を希望されている学生は、「救急がしっかりしている。たくさん診ることができる。」といってよく見学に来られる方が多いみたいです。この病院での研修の強みのひとつというわけなのですが、自分にはそれはとてもフィットしたものと感じました。その理由としては2つ述べたいと思います。

 1つ目は、責任があるということ。救急外来では、診察から検査のオーダー、処方、次の方針などを2年目、上級医が見守る中で、中心となって決定させてもらえる環境があります。他の病院の研修についてはあまり詳しくないので、比較することはできませんが、自分の決めたことには責任があり、その責任を感じるたびに勉学に励もうという気持ちになります。この環境での研修は、医師という仕事の恐ろしさを感じることはありますが、それ以上に逞しく成長できると思います。

 2つ目は、地域における砂川市立病院の役割が、救急外来受診後の患者の経過を追うのに適している点です。
砂川は中空知の医療圏の中核病院として機能しています。病院の数が周りに多くはないため、救急外来を受診した患者がもう一度当院を受診してくれる機会が多くなります。例えば、救急外来で、急性上気道炎と診断、処方薬を出し、後日病院を受診してください。と患者に伝えたとします。患者は、当院で経過をフォローされ、上級医の診察を受け診断がつきます。当たり前のように感じるかもしれませんが、上級医が診察したカルテが研修医にとって大変重要なものです。そのカルテを見て、自分の診断の間違い、診察の精度、臨床推論の適切さといったことをフィードバックすることができます。いわば、研修医にとって救急外来はテストで、上級医の診察が答え合わせのようなものです。いくらテストを沢山うけても成績は伸びないように、上級医の診察やカルテを見ることで復習につながります。当然、それはどこの病院でもできるのではないかと思うかもしれませんが、この砂川においては空知の中心の医療機関であり、高確率で当院を受診します。少なくとも札幌や地方都市にはたくさんの病院があり、後日同じ病院を受診する確率は、砂川におけるそれよりも低いと思います。地域中核病院の大きなメリットは、再受診によって経過を追うことができることにあると思います。

 以上の二つの理由で、この病院で初期研修を行うことができて良かったと感じています。私生活については、おそらく他の人の記載を参考にしていただければと思います。