臨床工学科

部門紹介

臨床工学科

1996年臨床工学科が開設、血液浄化業務を中心に体外循環業務、眼科臨床業務支援を3名でスタートしました。その後、医療の高度化や専門化に伴い業務拡大し、2023年4月現在は臨床工学科職員20名が従事しています。また、(株)パラテクノがME業務サポートとして、その他に医療助手1名と共に協力し合い業務を行っています。

血液透析センター業務

血液透析センターは35床(個室2床)あり、人工透析外科医師・泌尿器科医師・看護師と共に透析患者さんの診療にあたっています。ワンフロアで見渡しやすく安全管理がしやすい環境を整備しており、患者ケアや治療の他に機器の保守点検も行っています。また、学術活動として2002年4月よりJ-DOPPS phase2より参画し、日本における血液透析の治療方法と患者さんの予後についての調査に携わっています。

血管造影室室業務

血管造影室では冠動脈疾患の患者さんに対して行われる心臓カテーテル検査や救急で病院に搬入された急性心筋梗塞患者さんに対し、循環器内科医師・放射線技師・看護師とともに心臓カテーテル検査やPCI(経皮的冠動脈形成術)を行っています。その際に清潔野においての介助業務や、血管内超音波検査IVUS(intravascular ultrasound)で得られる生体情報のモニタリングや記録・操作に携わっています。患者さんの病態によっては心臓の補助を行うIABP(大動脈バルーンパンピング装置)や、心肺停止に陥った患者さんに対してはECMO(経皮的心肺補助装置)装置の装着を行う場合もあり、多職種が一丸となって患者さんを救うためにチーム医療を行っています。

手術室業務

心臓血管外科手術で行われる心臓の開胸手術において使用する人工心肺装置やその周辺機器の操作をはじめ、外科・泌尿器科・産婦人科で使用される腹腔鏡手術装置の操作、脳神経外科手術ナビゲーションシステムの操作、眼科手術機器の操作、麻酔器の保守点検なども行っています。また、法改正により今後さらに手術支援として業務の拡大が見込まれています。

内視鏡業務

内視鏡検査室で行われる上部消化器内視鏡・下部消化器内視鏡・気管支内視鏡を使用した検査・治療の介助やカメラの洗浄・消毒・保守点検を行っています。安心・安全・円滑に検査や治療が行えるよう、内科医師・検査科・工学科・看護師と共にチームで良い環境づくりに努めています。

不整脈治療デバイス(CIEDs)関連業務

徐脈性不整脈に対するペースメーカ(PPM)、頻脈性不整脈に対する植込み型除細動器(ICD)、重症心不全に対する心臓再同期療法(CRT)など各種不整脈治療デバイス関連業務として、植込み時のアナライザとプログラマの操作、定期的なフォローアップ時のチェックなどを循環器内科医師とともに行っています。遠隔モニタリングも導入し、以上の早期発見・介入が出来るよう努めています。また、他科の手術時に必要となる設定変更や条件付きMRI対応の場合のMRI撮影時の対応も行っています。

電気生理学的検査、カテーテルアブレーション治療業務

アブレーションは当院では2018年から開始しています。頻脈性不整脈に対して原因となる部位を焼灼する治療です。
心内心電図記録装置やスティムレータ(刺激装置)、3Dマッピング装置などの準備・操作を行い治療の補助を行います。また、頻脈性不整脈の種類の同定をするために実際に不整脈を誘発する電気生理学的検査も行っています。

医療機器中央管理室業務

医療機器中央管理室では、ME機器管理システムによって医療機器の効率的な運用と安全性の確保を目的として、院内で使用する医療機器の管理を一元化しています。管理している機器をID登録しデータベース化することによって、台帳を作成し、納入から廃棄までの貸出返却履歴から保守の記録までを管理しています。人工呼吸器については院内をラウンドし、使用状況の把握や使用中の点検も行っています。
また、医療機器を使用する医師、看護師、メディカルスタッフを対象に医療機器の安全研修会を行うとともに他業務と同様に研修を重ねスキルアップを図っています。

癌高周波温熱治療(ハイパーサーミア)業務

癌高周波温熱治療は高周波エネルギーを使って、腫瘍を体外から40~45度に加温する治療で、がん細胞は正常細胞に比べて熱に弱いという性質を利用した治療方法です。2013年度から8月より、高周波エネルギー癌高周波温熱治療装置『サーモトロンRF-8』が導入され、機器の操作や保守点検を担当しています。現在は臨床工学科をはじめ、多職種が一丸となって患者さんのQOL向上に努めています。

温熱療法(ハイパーサーミア)治療機器につきましては、老朽化に伴い故障した際の修理対応が難しい状況となったことから、新規の患者さんの受入を終了といたしましたので、お知らせいたします。患者さんには、大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒、ご理解いただきますようお願い申し上げます。

 

 

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癌高周波温熱治療装置
高気圧酸素治療業務

高気圧酸素治療とは2絶対気圧で1時間以上の100%酸素を吸入することを言います。
病態によって治療できる回数に限度があります。
当院では第1種装置という装置を使用しており、工学科では装置の操作・保守管理を担っています。また、酸素を使用するため装置内への物品の持ち込みは危険なため、身体チェックは入念に行い安全に行い安全に努めています。

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高気圧酸素治療装置
職員の育成

院内研修会をはじめ、学会・メーカー研修会・臨床工学技士会研修会へ積極的に参加し職業意識の向上を促し、組織的な指導を強化しています。また各種認定資格取得にも励んでいます。

取得専門資格

各種学会で認定されたスペシャリストが在籍しています。

臨床工学技士19名

透析技術認定士10名、透析技能検定2級1名、体外循環技術認定士4名、呼吸療法認定士2名、第1種ME技術実力検定1名、臨床ME専門認定士1名、消化器内視鏡技師1名、心血管インターベンション技師(ITE)1名、植込み型心臓デバイス認定士1名、ハイパーサーミア学会認定技師1名