脳神経外科

診療科紹介

脳神経外科
概要
 当院は中空知管内の総合病院において、唯一脳神経外科医が常駐しています。脳の病気は生命の危険に直結するため、治療には高い専門性が要求されます。緊急性の高い脳虚血疾患に対する血栓溶解療法や脳血栓回収術、脳出血やクモ膜下出血などの脳出血性疾患、重症頭部外傷など、手術も含め、24時間・365日専門の脳神経外科医が対応可能な体制をとっています。また、高水準の医療機器を導入し、常に最先端の医学に接することを心掛け、札幌・旭川と変わらない、質の高い医療の提供に努めております。中空知管内の病院や診療所とのネットワークを生かしながら、今後も皆様に安心してご利用いただける医療の提供を心掛け、地域医療における脳神経外科領域の一翼を担い貢献していきたいと考えております。 古明地Dr写真2021.jpg
脳神経外科
センター長 古明地 孝宏


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脳神経外科
医長 大瀧 隼也

 低侵襲で術後の回復が早いカテーテル治療は多くの診療科で、それまでの外科的治療に代わって主流となりつつあります。しかし、だからといってこれまでの歴史ある“切る治療”の必要性がなくなったわけではありません。例えば脳の血管に出来る動脈瘤においても、出来る場所、大きさ、形状から“切る治療”であるクリッピング術の方が安全でより適している場合もあります。血管外科技術認定医、脳血管内治療専門医を持つ二刀流外科医として、動脈瘤に限らず多くの疾患で、幅広い視野、公平な観点からより低侵襲で安全な治療法を提案していきます。また、脳梗塞になってしまった場合、閉塞部位、搬入時間によってカテーテル治療による機械的血栓回収療法に持ち込むことができ、良好な結果が多くの論文で報告されており、脳卒中ガイドラインにも掲載されております。当院はこの血栓回収療法を24時間体制で行う事ができ、また最新の機器をそろえ、大都市圏と遜色のない初期対応を行っております。頭痛・めまいといった軽微な症状でも、大きな病気につながることもあります。気になる症状がありましたら、ぜひ外来に相談にいらしてください。



 脳神経外科は、脳卒中・脳腫瘍・外傷・てんかん・脊髄末梢神経疾患など多岐にわたる中枢神経系疾患に対して初期治療から慢性期治療まで対応する診療科です。従来の外科手術の他、近年飛躍的に進歩しているカテーテル治療・内視鏡治療により脳神経外科診療は、より患者さんに対し安全で低侵襲な治療を提供するようになりました。当院は中空知地区の最後の砦として、これらあらゆる治療選択肢を可能とする設備があり、全国と比較しても全く遜色ないトップレベルの医療を提供することができます。特に脳血管障害は時間が何よりも大切で、最新の治療を地域完結で行うことができるのは非常に重要です。当地区の患者さんが、住み慣れた街で最良の医療を享受できることを目指していますので、お困りの際はお気軽にご相談下さい。 平野Dr写真2021.jpg
脳神経外科
副医長 平野 司
脳血管内手術

【脳動脈瘤】
 脳動脈瘤の治療に関しては、当院ではコイル塞栓術を推奨しております。脳動脈瘤の治療には大きく分けて二つの方法があります。古くから行われている開頭クリッピング術と最近急速に普及してきたコイル塞栓術です。どちらにも一長一短がありますが、低侵襲性ということでれば圧倒的にコイル塞栓術に分があります。なぜなら頭を開ける必要がないからです。コイル塞栓術ではカテーテルを使って血管の中から動脈瘤を治すため、皮膚を切る、骨に窓を開ける、脳を空気にさらすという侵襲が一切ありません。どちらでも治せる動脈瘤であれば、当院では迷わず、コイル塞栓術をお薦めしています。

透視装置 Allura Xper FD20
高解像度バイプレーンDSA装置
脳血管内治療専門医が3名常駐しており、24時間体制で安全かつ正確の治療を行っております。

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症例:くも膜下出血で発症した前交通動脈瘤

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CT
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血管造影検査
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コイル塞栓術前3DCT
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コイル塞栓術後
血管造影検査
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コイル塞栓術後3DCT
急性期脳血管障害に対して

 脳神経センターでは、急性期血管障害に対して放射線科の協力を得て、CT、MRI、脳血管撮影、エコー検査などが24時間対応可能となっております。
超急性期の正確な病態診断を行うことにより、脳血管障害の治療成績の向上を図っています。

重症頭部外傷

 重症頭部外傷に対しては、脳圧センサーを留置し麻酔科医に協力をいただき脳低温療法を行っております。

脳ドックご案内

 次のような方に脳ドックをお勧めします。

  • 脳卒中が心配な方
  • ご家族に脳卒中の病歴がある方
  • 高血圧・糖尿病などのある方
  • コレステロール・中性脂肪が高い方
  • 喫煙をされる方、過度の飲酒をされる方
  • ご自分の脳の健康状態を確かめたい方

 詳しくは下記PDFファイルをご覧ください。

一般社団法人日本脳神経外科学会データベース事業(Japan Neurosurgical Database:JND) 研究に関するご協力のお願い

 詳細についてはこちらをご覧ください。

手術実績
    R2 R3
脳腫瘍 摘出術 16 17
  経蝶形骨洞手術 0 5
脳血管障害 破裂動脈瘤 2 3
  未破裂動脈瘤 10 8
  頸動脈内膜剥離術 2 3
  バイパス手術 4 1
  高血圧性脳内出血 0 5
  開頭血腫除去術 5 1
  脳室ドレナージ術 7 4
外傷 急性硬膜下血腫 2 1
  慢性硬膜下血腫 18 18
水頭症 脳室シャント術 8 8
血管内手術 総数 48 33
  動脈瘤塞栓術 0 13
  破裂動脈瘤 4 8
  未破裂動脈瘤 7 5
  閉塞性脳血管障害 37 20
  内、ステント使用例 16 9
合計   186 162